統計学1 (Statistics01)
科目ナンバー   RMGT/SSCS1153 
科目名   統計学1  
担当教員   清水 千弘    
対象学年   1年,2年,3年,4年   開講学期   前期  
曜日・時限   月3  
講義室   1202   単位区分   選  
授業形態   講義   単位数  
科目大分類 総合教育  
科目中分類 総合基礎  
科目小分類 文化教養  
科目の位置付け(開発能力) ■DPコード-学修のゴールを示すディプロマポリシーとの関連
【危機管理学部】【スポーツ科学部】共通
DP1-D  〔市民的素養・市民的教養〕市民的素養と参加コミュニティに積極的な変化をもたらすために,知識・スキル・価値観・動機を動員することができる。
DP3-H  〔論理的思考力・批判的思考力〕理路整然とした思考を備えつつ,偏りを排除するための内省を持って,問題・課題を合理的に解決することができる。
DP4-I  〔理解力・分析力〕文章表現,数値データを適切に扱いつつ,情報の収集と取捨選択,分析と加工を有効かつ円滑に行い,課題の解決につなげることができる。

■CRコード-学修を通じて開発するマインドセット・ナレッジ・スキルを示すコモンルーブリック(CR)との関連 
D1  市民的素養と参加(10%)
H1  論理的思考(20%)
H2  批判的思考(20%)
I1  理解・分析と読解(20%)
I2  量的分析(20%)
I3  情報分析(10%)  
教員の実務経験 2012年から国連,国際通貨基金(IMF),OECDなどが進める新しい公的統計を作るための指針作成の国際プロジェクトに参加している。日本に帰国してからは,2017年度より政府の統計委員会の専門委員として,政府統計の改善に関わっている。また,民間企業の各種AIを用いたサービス開発に参加してきている。そのような経験を踏まえて,統計学の講義を行います。(第1.12.13.14回)  
成績ターゲット区分 ■成績ターゲット  能力開発の目標ステージとの対応
  2  進行期  ~  3  発展期  
科目概要・キーワード 統計学は,大きく記述統計と推測統計に分類されます。本講義では,統計学の中でも記述統計を中心として学習します。ある事象の特性を見る場合の代表性やばらつきを見ることから始めます。続いて, 2つ以上の変数の関係性を調べます。本講義では,平均,分散,相関係数,回帰分析などの統計量の計算方法を学習することを目的とします。授業形態は講義により行い,演習とレポートによって理解度を図ることとします。なお,授業の一部を補完するため,あるいは代替するためにディスタンスラーニングを取り入れる場合があります。
■キーワード:記述統計,相関,回帰  
授業の趣旨 ■副題
  データ分析の基礎的知識を習得し,データに基づく意思決定ができる社会人になりましょう。
■授業の目的
  現代社会はデータが溢れており,ビッグデータ解析の技術が進化し,AI(人工知能)の活用が積極的に行われるようになりました。この分析の基礎的手法が,相関分析・回帰分析に代表される統計解析の手法です。本講義では,回帰分析の習得を最終的な目標として,データ分析の様々な手法を学習します。
■授業のポイント
  現代社会においては,データに基づく意思決定が重要視されています。講義を通じて,定量的な分析・情報分析能力の習得し,社会で起こる現象を見る上で,統計データに基づく科学的な判断・見方が出来るような能力を身につけることを目的とします。講義では,実例と理論と実習を交互に交えて学習することによって,市民的教養を高めます。  
総合到達目標 ■人工知能(AI)がどのように作られているのか,AIは社会をどのように変えているのか,社会においてデータがどのような力を持っているのかが理解することができるように,次の3つの力を修得することを目的とする。
・定量的な分析および各種情報を収集し、統計学の枠組みで分析ができるようになる。(第1回~7回)
・データを分析していく上での手続きを学習し,自らデータを収集し,分析することができるとともに,簡単なAIを作ることができるようになる。(第8回~13回)
・競技スポーツ、危機管理に関連したデータを分析できるとともに,AIがどのような影響をもたらすのかを考えることができるようになる。(第14.15回)  
成績評価方法 ■リアクションペーパー(30%):適用ルーブリック  D1・I1
(評価の観点)講義への参加意識の濃度をリアクションペーパーよって評価します。
(フィードバックの方法)次の講義にて,補足的な解説をします。
■学期期間中におけるレポート(70%):適用ルーブリック I1・I2
(評価の観点)各単元における計算方法とその意義について問います。理解度を評価します。
(フィードバックの方法)レポートの終了の次の講義にて,解説します。  
履修条件 特にありません  
履修上の注意点 ビッグデータ解析、AIは社会に広く浸透してきました。受講にあたり、自分たちが生きる社会において、どのようなデータを用いてどのような応用がなされているのかを注意深く探してみましょう。   
授業内容
内容
1 ①授業のテーマ
 ガイダンス(全体テーマ,授業の進め方,成績評価方法の告知),導入,単元の概要紹介
②授業概要
 授業の概要,目的,到達目標および授業の方法,評価規準について説明します。特にスポーツ科学部・危機管理学部の専門領域おける統計学の位置づけを,担当者の実務経験を踏まえて解説します(D1・H1・H2)。
③予習(120分)
 指定された教科書の全体像をつかむ。
④復習(120分)
 統計学を学習することの意義を整理する。
2 ①授業のテーマ
 記述統計量(1)平均・中央値・最頻値
②授業概要
 統計データが与えられた場合,まず代表性(中心)を表す統計量が重要になる。ここでは平均値・中央値・最頻値の計算方法とそれぞれの統計量の特徴について解説します(I2)。
③予習(120分)
 統計学の記述統計としてどのようなものがあるのかを整理する。
④復習(120分)
 電卓を用いて平均値・中央値・最頻値を計算する。
3 ①授業のテーマ
 記述統計量(2)「ばらつき」を表す統計量(分散・標準偏差・変動係数)
②授業概要
 統計量においては,必ず誤差が存在するが,ここではそのような誤差を「ばらつき」を表す統計量である分散・標準偏差・範囲・変動係数の計算方法を解説します(I2)。なお,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 「ばらつき」を表す統計量の種類について調べる。
④復習(120分)
 演習課題について,電卓を用いて分散・標準偏差・範囲の計算を行う。
4 ①授業のテーマ
 度数分布(1)
②授業概要
 代表性を表す統計量やばらつきを表す統計量から全体としての特徴は把握できるが,それを度数分布として表現することで視覚的にも理解できる。ここでは度数分布表の作成について解説します(I3)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 ヒストグラムについて調べる。
④復習(120分)
 演習課題について,PCを用いて度数分布表を作成する。
5 ①授業のテーマ
 度数分布(2)
②授業概要
 多くの統計資料では,度数分布が公表されることが多い。このような度数分布として公表される統計資料から,平均値・分散を計算する方法を解説します(I2・I3)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 度数分布表からPCを用いてヒストグラムを作る。
④復習(120分)
 演習課題について,平均値と分散について電卓を用いて計算する。
6 ①授業のテーマ
 2つの変数の関係性を理解する。(1)共分散
②授業概要
 第5回の講義までは1つの変数を表す統計量を学習してきたが,第6回目からは,2つの変数の関係を求めることを考える。ここでは,共分散を求める意義とその計算方法を解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 複数の変数間の関係を理解するための統計量を整理する。
④復習(120分)
 演習を通じて,共分散の計算方法を確認する。
7 ①授業のテーマ
 2つの変数の関係性を理解する。(2)相関係数
②授業概要
 相関係数の計算過程は共分散から発展したものとなる。ここでは,ピアソンの関率相関係数の計算方法に加え,順位相関係数の計算方法にいても解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 どのような相関係数があるのかを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,相関係数の計算方法を確認する。
8 ①授業のテーマ
 2つの変数の因果性を理解する。(1)単回帰分析
②授業概要
 多くの場合,複数の変数の関係には「原因」と「結果」,つまり「因果性」がある。その因果性を説明するための手段として,回帰分析を解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 回帰分析とはどのような考え方であるか調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,回帰係数の計算方法を確認する。
9 ①授業のテーマ
 2つの変数の因果性を理解する。(2)回帰係数の評価
②授業概要
 回帰分析において求められた回帰直線の推計値,すなわち回帰係数の評価を行います。具体的には,標準誤差,信頼区間,t値(t検定)について解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 回帰直線とは何かを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,標準誤差,信頼区間,t値の意味を確認する。
10 ①授業のテーマ
 2つの変数の因果性を理解する。(3)回帰モデルの当てはまりの良さの評価
②授業概要
 推定された回帰モデルの当てはまりの良さを評価する方法を解説します。具体的には,決定係数,自由度調整済み決定係数,AIC(赤池情報量基準)を取り扱います(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 決定係数,自由度調整済み決定係数,AIC(赤池情報量基準)とは何かを調べる。
④復習(120分)
 演習課題について,電卓を用いて決定係数,自由度調整済み決定係数,AIC(赤池情報量基準)の計算をする。
11 ①授業のテーマ
 2つの変数の因果性を理解する。(4)構造変化テスト
②授業概要
 回帰モデルで実際に社会現象を分析する際に生ずる問題が,複数の異なる母集団のデータを合わせて分析することであり,これに対応する「構造変化テスト」という方法について解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 構造変化とは何かを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,F統計量と検定の計算方法について確認する。
12 ①授業のテーマ
 複雑な因果性を理解する。(1)重回帰分析
②授業概要
 データの分析結果は,複数の要因が背景となっていると考えられ,この複雑な因果性を分析する手段として「重回帰分析」がある。ここでは,担当者の実務経験を踏まえて,重回帰分析の適用方法を解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 重回帰分析について調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,重回帰分析の計算方法について確認する。
13 ①授業のテーマ
 複雑な因果性を理解する。(2)回帰分析の条件
②授業概要
 重回帰分析を行うためには不偏性・有効性を持つための条件がある。ここでは,この条件について解説すると共に,担当者の実務経験を踏まえて,その条件が満たされない場合の対応方法について解説します(H1・H2・I1)。
③予習(120分)
 多重共線性とは何かについて調べる
④復習(120分)
 多重共線性が生じる場合,それを避ける技術的方法について確認する。
14 ①授業のテーマ
 回帰分析を越えて
②授業概要
 近年,ビッグデータ分析が注目されているが,回帰分析を越えて複雑な社会現象を読み解く技術の一つであるとも言える。近年の統計学の発展と,今後の展開について,担当者の実務経験を踏まえて解説します(I1)。
③予習(120分)
 ビックデータ・機械学習とは何かを調べる。
④復習(120分)
 AI(人工知能)技術の進歩は社会をどのように変えていくと考えるかを整理する。
15 ①授業のテーマ
 統計学1のまとめ
②授業概要
 これまでの授業での学びを振り返り,統計的思考の重要性,データ分析の重要性,これからの応用可能性を各個人で考える(D1・H1・H2)。
③予習(120分)
 授業のノートの全体を振り返る。
④復習(120分)
 講義全体を振り返ったレポートを作成する。
関連科目 RMGT/SSCS1154「統計学2」は統計学の基礎知識として補完的な関係にあります。  
教科書 清水千弘『市場分析のための統計学入門』朝倉書店,適宜プリントを配信する。  
参考書・参考URL http://www.shmzlab.jp/  
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