統計学2 (Statistics02)
科目ナンバー   RMGT/SSCS1154 
科目名   統計学2  
担当教員   清水 千弘    
対象学年   1年,2年,3年,4年   開講学期   前期
曜日・時限   金1  
講義室   1206   単位区分   選  
授業形態   講義   単位数  
科目大分類 総合教育  
科目中分類 総合基礎  
科目小分類 文化教養  
科目の位置付け(開発能力) ■DPコード-学修のゴールを示すディプロマポリシーとの関連
【危機管理学部】【スポーツ科学部】共通
DP1-D  〔市民的素養・市民的教養〕市民的素養と参加コミュニティに積極的な変化をもたらすために,知識・スキル・価値観・動機を動員することができる。
DP3-H  〔論理的思考力・批判的思考力〕理路整然とした思考を備えつつ,偏りを排除するための内省を持って,問題・課題を合理的に解決することができる。
DP4-I  〔理解力・分析力〕文章表現,数値データを適切に扱いつつ,情報の収集と取捨選択,分析と加工を有効かつ円滑に行い,課題の解決につなげることができる。

■CRコード-学修を通じて開発するマインドセット・ナレッジ・スキルを示すコモンルーブリック(CR)との関連 
D1:市民的素養と参加(10%)
H1:論理的思考(20%)
H2:批判的思考(20%)
I1:理解・分析と読解(20%)
I2:量的分析(20%)
I3:情報分析(10%)  
教員の実務経験 2012年から国連,国際通貨基金(IMF),OECDなどが進める新しい公的統計を作るための指針作成の国際プロジェクトに参加している。日本に帰国してからは,2017年度より政府の統計委員会の専門委員として,政府統計の改善に関わっている。また,民間企業の各種AIを用いたサービス開発に参加してきている。そのような経験を踏まえて,統計学の講義を行います。(第1,15回)  
成績ターゲット区分 ■成績ターゲット  能力開発の目標ステージとの対応
  2  進行期  ~  3  発展期  
科目概要・キーワード 統計学は,大きく記述統計と推測統計に分類されます。本講義では,統計学の中でも推測統計,つまり確率論を中心として学習します。私たちの社会は,ある意味,確率によって支配されていると言ってもよいでしょう。経済活動,スポーツ活動,自然災害や犯罪などの人災は,全てが確率的な現象であり,そのような確率に基づき様々な意思決定がなされています。授業形態は講義により行い,演習とレポートによって理解度を図ることとします。なお,授業の一部を補完するため,あるいは代替するためにディスタンスラーニングを取り入れる場合があります。
■キーワード:確率分布,二項分布,ポアソン分布,正規分布,検定  
授業の趣旨 ■副題
  統計学の中でも確率的思考を習得し、合理的な行動ができる社会人になりましょう。
■授業の目的
  現代社会は、様々な確率によって支配されています。また、私たちは知らず知らずのうちに、自分が経験的に習得した確率に基づき意思決定をしています。確率論を学習し、様々な社会制度や事象の裏側にある確率分布を理解し、それを応用することができるようになることを目的とします。
■授業のポイント
 統計学は、私たちの日常生活の中で様々なシーンに利用されています。講義を通じて、定量的な分析および情報分析能力の習得をしていきます。具体的には、社会で起こっている現象、個人の特性を見る上で、主要な確率分布の特性に基づく科学的な判断・見方が出来るような能力を身につけていきます。加えて、その応用として危機管理、競技スポーツ・経済予測・標本調査・品質管理・市場調査・各種のモデル分析・意思決定など多くの局面で必要となる定量的な基本事項を、実例と理論と実習を交互に交えて学習することによって、市民的教養を高めます。  
総合到達目標 ■社会で発生している様々な事象の裏側にある確率を理解し,確率を踏まえた選択ができるような力を修得するために,下記のことを学修する。
・定量的な分析および各種情報を収集し、統計学の枠組みで分析ができるようになる。(第1~5回)
・主たる確率分布の特性を理解し、その確率分布を踏まえた行動ができるようになる。(第6~10回)
・競技スポーツ、危機管理において,各事象と対応した確率分布を設定し、それに対応した特性を正確に理解できるようになる。(第11~15回)  
成績評価方法 ■リアクションペーパー(30%):適用ルーブリック  D1・I1
(評価の観点)講義への参加意識の濃度をリアクションペーパーよって評価します。
(フィードバックの方法)次の講義にて,補足的な解説をします。
■学期期間中におけるレポート(70%):適用ルーブリック I1・I2
(評価の観点)各単元における計算方法とその意義について問います。理解度を評価します。
(フィードバックの方法)レポートの終了の次の講義にて,解説します。  
履修条件 とくにありません。  
履修上の注意点 私たちの日常生活には、様々な確率的思考が存在します。受講に先立って、皆さんの生活の周りでどのような確率的な意思決定がなされているのかを、具体的に考えておきましょう。  
授業内容
内容
1 ①授業のテーマ
 ガイダンス(全体テーマ,授業の進め方,成績評価方法の告知)。導入,単元の概要紹介
②授業概要
 授業の概要・目的・到達目標および授業の方法,評価規準について説明します。特にスポーツ科学部・危機管理学部の専門領域おける統計学の位置づけを,担当者の実務経験を踏まえて解説します(D1・H1・H2)。
③予習(120分)
 指定された教科書の全体像をつかむ。
④復習(120分)
 統計学を学習することの意義を整理する。
2 ①授業のテーマ
 確率とは何か(1)確率の基礎
②授業概要
 確率を学習していく上での数学的基礎,確率の定義,主要な確率分布について解説します(I1・I2)。なお,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 順列・組み合わせの計算を事前に確認する。
④復習(120分)
 演習を通じて,組み合わせを用いた確率を計算し,結果を確認する。
3 ①授業のテーマ
 確率とは何か(2)確率の基礎
②授業概要
 組み合わせの考え方を用いて,特定の事象ごとに発生する確率の計算方法を解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 カード,サイコロなどを用いた確率空間と各確率を計算する方法を確認する。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された事象の各確率を計算し,結果を確認する。
4 ①授業のテーマ
 確率変数と確率分布(1)確率変数と分布・期待値
②授業概要
 組み合わせの考え方を用いて,特定の事象ごとに発生する確率の計算方法を解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 身近な確率に何があるのかを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,期待値を計算し,結果を確認する。
5 ①授業のテーマ
 確率変数と確率分布(2)分散・共分散・相関係数
②授業概要
 分散・共分散・相関係数の計算方法を解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 統計学1で学習した分散,共分散,相関係数の計算方法を改めて整理する。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された統計量について電卓を用いて計算し,結果を確認する。
6 ①授業のテーマ
 主な確率分布(1)二項分布1
②授業概要
 確率分布の中で最も基礎的な分布となる二項分布について解説します(I2)。
③予習(120分)
 二者択一の選択として,どのような選択があるのかを調べる。
④復習(120分)
 二項分布の特性を整理する。
7 ①授業のテーマ
 主な確率分布(2)二項分布2
②授業概要
 二項分布における確率の計算方法と期待値・分散の計算方法,その応用を解説します(I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 順列・組み合わせの計算方法を再度確認し,二項分布の計算式を調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された事象について,二項分布の確率を計算し,結果を確認する。
8 ①授業のテーマ
 主な確率分布(3)ボアソン分布
②授業概要
 二項分布の発展としてポアソン分布を解説します。また,ポアソン分布表を用いた確率分布表の読み方を解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 二項分布とポアソン分布の違いを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された事象についてポアソン分布表を用いて確率を計算し,結果を確認する。
9 ①授業のテーマ
 主な確率分布(4)正規分布1
②授業概要
 正規分布,標準正規分布について解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 正規分布とポアソン分布との関係を調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,正規分布の標準正規分布化を計算方法と標準正規分布表の読み方を確認する。
10 ①授業のテーマ
 主な確率分布(5)正規分布2
②授業概要
 正規分布表の読み方と確率の計算方法を解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 標準正規分布の特性を整理する。
④復習(120分)
 演習を通じて,正規分布表を用いて,指定された事象の確率について計算し,結果を確認する。
11 ①授業のテーマ
 推定の理論・標本統計量の誤差
②授業概要
 母集団から抽出された標本から全体を推定する方法と標本理論の基礎について解説します(I1・I2)。
③予習(120分)
 標本とは何を意味し,何に注意しなければならないのかを調べる。
④復習(120分)
 標本平均と誤差について整理し,言葉で説明できるようにする。
12 ①授業のテーマ
 検定の理論
②授業概要
 統計学では,検定という手続きが行われる。ここでは,統計学で言う検定の意義とその方法を解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 統計学的検定とは何を意味するのかを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された事象から検定統計量を求め,その有意確率を求め,結果を確認する。
13 ①授業のテーマ
 標本の検定
②授業概要
 検定を行う場合,標本の場合では留意すべき問題が複数存在する。ここでは,標本の検定という概念とその方法について解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 標本と母集団では,それぞれの統計量を見る際にどのような違いがあるのかを調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された事象の検定統計量を求め,その有意確率を求め,結果を確認する。
14 ①授業のテーマ
 分散分析
②授業概要
 2つの集団の違いを確認するために,分散分析という方法がある。ここでは,分散分析の基礎と差の検定について解説します(I1・I2)。なお,講義の冒頭では前回の演習の解説を行い,講義の後半では演習課題を出し,一部の時間を充てます。
③予習(120分)
 差の検定とは何を意味するのかについて調べる。
④復習(120分)
 演習を通じて,指定された事象の検定統計量を求め,その有意確率を求め,結果を確認する。
15 ①授業のテーマ
 統計学2のまとめ
②授業概要
 これまでの授業での学びを振り返り,担当者の実務経験を踏まえて,統計的思考の重要性を講義します。一連の講義を踏まえて,これからの統計学の応用可能性を各個人で考えます(D1・H1・H2)。
③予習(120分)
 授業のノートの全体を振り返る。
④復習(120分)
 講義全体を振り返ったレポートを作成する。
関連科目 RMGT/SSCS1153「統計学1」は統計学の基礎知識として補完的な関係にあります。  
教科書 清水千弘『市場分析のための統計学入門』朝倉書店,適宜プリントを配信する。  
参考書・参考URL   http://www.shmzlab.jp/  
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